
「花をえがく日本画家 定家亜由子の京の花便り」
《連載》第38回「フタバアオイと『社頭の儀』 / 葵祭Ⅱ」
六月となりましたが、葵祭!五月の全編と後編に分けて、
初めて境内より参拝させていただきました「社頭の儀」のことを書かせていただいております。
今年米寿を迎えられた下鴨神社宮司さまが、戦時下の葵祭の儀式の最中に上空をB-25爆撃機が通過していった出来事を忘れることができないと涙ながらにお話しされたこと。。この美しい「社頭の儀」を拝見しながら思い出していました。


喜びと美しさしかないように思える景色にも、やるせなさや悲しみ、真反対にあるはずのものが存在をしていることは今もかわらないのかもしれません。
だからこそ、自分が美しいと信じることを選択し、表現していきたい。
平和が当たり前でないことの感謝を胸に刻みながら、千年のお祭りがこれからもこの地でいつまでも続きますようにと心からお祈りしています。
BS11「京都の特等席」