タクト

2024-02-14
ユーストマの画像のようです

St. Valentine’s Day

昨晩、というか、徹夜で作品と原稿をかき上げてからの今日の明け方、なんだか眠くないし疲れない。まだ頑張れるなという感じ。
たまたま小澤征爾さん指揮の映像をくりかえして聴きながら絵の具皿を洗ったり今日からの制作の準備をしてていたのだけれど、
うちにはテレビを置いていなかったり全くネットニュースなども見ていなかったから、
つい今日正午頃、
小澤征爾さんの訃報を知る。
全ての一生懸命生きる人に、美しいものを愛する多くの人たちに、どれだけの勇気や情熱の火を伝えただろう。
私は、2015年の東京のサントリーホール ウィーン・フィルのガラ・コンサートにて小澤征爾さんの指揮を見る。改めてなんて体験だったんだろう、幸運以上の奇跡の贈りものでしかない。
当時80歳を超えておられながら、少年のようで、青年のようで、全て。タクトから生まれる細かなダイヤモンドの粒子のようなキラキラ。柔らかな天使の羽根や華やかな薔薇の花びらや沢山の星々のシャワーを浴びるような、あの鮮やかな空気の振動に包まれながら同じ空間にいたんだ。
圧倒的天才の純真無垢、磨き上げられた魂は、肉体はなくなっても、沢山の人の内にのこり、刻まれた情報は消えないんだ、本当に生き続けてなくなることはないんだなと思う
そう思ったら、熱く燃えている日も、悲しくて消えそうと思いかける日も、私自身が燃やしていると思っているこのいのちは私が燃やしているのではないこと、
私だと思っているいのちは私のものではないことに気付かされる
自分のいのちのことを、軽々しく、この火が消えるまで…自分のいのちある限り、という表現ができないことにはっとする。